日々ブリッジ

エッセイもどきブログ

あまりにも喉に刺さった小骨「グレイテスト・ショーマン」

やっぱり我慢出来なかったので書きます。
味付けは最高の焼き魚だったんだけど、喉にザクザク小骨が刺さる。
そんな映画でした「グレイテスト・ショーマン」。
 
「ミュージカル見たい欲」はガッツリ満たされました。
軽快な歌とダンス、目まぐるしく代わるきらびやかなミュージカルシーンは目を見張りました。素晴らしい。泣いたし。
 
 
 
~以下キレ気味ネタバレ感想~
 
 
でもさあ~~~~~それだけじゃ駄目なんだよ~~~それだけじゃ絶賛はできないです。
差別・多様性をテーマとして扱おうというのなら、それなりの矜持を見せて貰わなきゃダメです。
2018年なんだから。カンフーヨガじゃないんだよ!!!
 
細かい気になるとこは色々あります。
たとえば、
 
・中盤の酒場のシーン、「これこそ本当に求めていたもの!」ってサーカスの仲間と歌った後に、
妻の実家いくのなんなの???
虐げられてきた子供時代を思い、同じように虐げられた人たちと手を取り合って、もう一度目にもの見せてやるぞ!てなるのかと思ったら、汽車飛び乗って妻の実家行ったのでびっくりしました。
サーカスの面々も「やっぱ家族とか身近な幸せが大事だわ!」っつってまた自分達置いて飛び出してった雇い主見て、なんでそんな満足げに微笑んでるの???わかんねえよ…
 
 
とか、
 
・オペラ歌手のプロ意識……
惚れた男がなびかないから歌いませんて……パワハラやんけ……男女逆なら大炎上だろ………
 
 
とか。
 
でも、1番もやもやするのは
 
一見すると「多様性だいじ!」って言ってるように見えるけど、実は真逆のことをしてるってところですね。
つまり、「多様な」人々を記号として描く、ひとまとめにしてその人々の「多様さ」を描写しないってこと。
「言ってることとやってること違うじゃん!」みたいな。
だから、そんなノリ見ててThis is meを歌われても、私はあまり響かなかった。
いやお前も差別する側なんかい!みたいな。バーナムもそこからジュディみたいにトライエブリシングすることもなかったしね…。
 
バーナム、別に多様性の素晴らしさを謳おうとか、差別に晒されてきた人々を救おうみたいに思ってなくてビジネスでやってるだけなのに、あたかも彼が人道的理由からサーカス団結成して慕われてるみたいに見せてくるのが謎だし、、、
 
あとは「マイノリティ(そしてこれは往々にして、何かしらの才能があるとか特別な人たち)」を「受け入れてあげる」マジョリティって図が展開されるのを危惧してたけど、そんな感じのシーン全然なかったもんね…悪い意味で…客も「商品」としてしかサーカス団見てなかったね…
 
「ヘアスプレーと同じく、差別に真っ向から向き合った映画!」って感想を見ましたが、ほんと勘弁してください。全然違います。
「映画好きは色々いってるけど、ショーとして楽しめば最高!」みたいな感想も見たけど、いやそれバーナムやサーカス団をcut me downしてきた人とやってること同じでは…。マイノリティの描写を瑣末なこととして切り捨て、「楽しければOK!」ってめっちゃ暴力的じゃない???
 
 
とまあ色々キレながら書きましたが、「グレイテスト・ショーマン見た」ってツイートしたら、
推しの後輩から感想のLINEきたので見て良かったなと思いました。
ララランドもグレイテスト・ショーマンも美女と野獣もノットフォーミーだったわたしを誰か救ってくれ…